CATEGORY

堕天鹿 オリジナル小説

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第41話 「喫茶店6」

在過とうかは、タバコの煙を肺まで落としていた時だった。テーブルに置かれていた携帯のバイブ音が響き、携帯画面にメッセージアプリからの通知が表示された。 【パパが話があるって】 「けっほッげほォ」  タバコの煙を吐き出す前に通知を見てしまった在過は、ゴクッと空気も一緒に飲み込んでしまい激しくむせる。近くに飲み物がなく、ニコチンによる吐き気と一緒に何度もむせこんでいると。 「おっおい、大丈夫か?」 「け […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第40話 「喫茶店5」

「あはは……痛いね」 「そう思うってことは、全部じゃなかったとしても理解している部分はあったのかな」 「そう……なのかな」 「まぁ、神鳴かんなさんのご両親が異常なくらい過保護なのは、誰が聞いてもわかるだろうねぇ」 「いや、ほんとだよな。正直今までに出会ったことないくらい気持ち悪いぞ。初めて話したその日から、正直なところ生理的に無理! って感情が湧き出てたもんな」 「部分的にしか知らないから、無責任 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第39話 「喫茶店4」

在過とうかは、珈琲を飲みながら数日前にあった出来事を部分的に話していく。携帯に入っている電話帳内の知人女性に、メッセージアプリ内の知人や前職の女性を含め削除したこと。個人的に苛立ちもあったことから、在過も同じように消せるよね? と神鳴に聞いたところ、自分は消せない発言を聞いて喧嘩になってしまったこと。その喧嘩により、神鳴かんなが泣きながら母親に連絡をしたことで、神鳴の母親である雷華らいかが自宅に訪 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第38話 「喫茶店3」

約1時間ほど電車で過ごした在過とうかは、目的地の新宿に到着する。東口改札を出て、近場の壁に寄りかかった在過は、携帯を取り出してノウたりんへ到着した連絡をする  カバンから1冊の小説を取り出し、本に挟んでいる黄色の栞紐しおりひもから読み進めていく。恋愛コメディ×ミステリー×ホラーと言う贅沢タイトルに惹かれて購入していた「俺は彼女のお義母さんに殺される」と言う異色のストーリを在過は楽しんでいた。 「お […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第37話 「喫茶店2」

 たった数日間で肉体的にも、精神的にも疲労していた在過とうかだが、いいタイミングでノウたりんから喫茶店の誘いを受けたことで、気分転換として全力で楽しもうと決める。  ヘアアイロンの電源を入れ、設定温度になるまでのあいだ、歯磨きをするために洗面所に向かう。歯ブラシに歯磨き粉をつけて歯を磨きながら、そのまま台所の棚にあるケトルを取り出し、水を入れてお湯を沸かす準備も同時進行。 「んぅ……これぇにひほ」 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第36話 「喫茶店1」

 携帯の着信音で目が覚めた在過とうかは、ベットから起き上がり机に置いてある携帯を手に取る。携帯ディスプレにノウたりんと表示されていた。  時刻は午前6時。 「もしもし? 朝からどうした?」 「おはよう! いやね、新しくできた喫茶店がコーヒーおかわり自由らしくてさ、行かない?って誘い」 「あぁ~なるほどね。いいね」 「大丈夫なら、お昼に待ち合わせして昼食どこかで食べてから行こうよ」 「りょーかい。場 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第35話 「明晰夢4」

 誰も、本当の事を本当の気持ちを伝えない、嘘の家族のもとへ。  玄関の扉を開けて家に入ると、哀れむ表情で僕を見つめる女の人が立っていた。なんだろ、まだ怒られなければいないのだろうか。それとも、お金を貸してもらえるのか気になるのだろうか? 「……。これ以上はお金がないから貸せないって。ごめんねって言ってた」 「……ごめんなさい。叩いてごめんなさい、痛かったよね」 「大丈夫」  どうやら怒られなかった […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第34話 「明晰夢3」

 また、同じようにカメラのシャッターを切るように場面が切り替わる。夢とわかっていても、過去のトラウマとなっている記憶を追体験するのは苦痛であった。また、場面が切り替わると、小学生の僕は父親の部屋で麻雀牌を触って一人で過ごしていた。  確か、この時は父親に麻雀を教えてもらい、ゲーム内容が難しくて一人で練習していた時だった。しかし、この時が僕にとって……母親と女性に対してトラウマになったキッカケでもあ […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第33話 「明晰夢2」

 カメラのシャッターを切るように、先ほどまで見ていた光景が切り替わった。学校から帰宅した小学生の僕が、家のチャイムを何度か押している。「うるさい!」と怒鳴る声と同時に、母親が近づいてくる音が聞こえる。  玄関の鍵がガチャっと音を立てて開き、僕は家の中に入る。眉間にシワを寄せて、苛立っている母親が立っている。 「もうっ。ひとがいい気持ちで寝てるのに起こさないでよ!」 「……」 「あとコレ、また公衆電 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第32話 「明晰夢1」

 どうやら僕は夢を見ているらしい。  不思議な感覚で、僕の視界に広がる光景は過去の映像。愛知県一宮市の2階建で、賃貸で暮らしていた時の光景だ。まだ家族全員一緒に暮らしていて、僕が小学4年生の頃の分団下校している映像を上空から見下ろしていた。  この時の出来事は、いまでもハッキリと覚えている。家に帰宅しても鍵が掛かっていて入れない。玄関横の窓はカーテンで閉められており、部屋の様子が見えないようになっ […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第31話 「ダイレクトメッセージ3」

 乾燥したのか空咳をする在過は、冷えたコーヒーを飲んで喉を潤す。その後も、数回咳き込むことで症状が治まった。喉の違和感を感じながらも、携帯画面に視線を落とす。  11通目のタイトル「女の敵」と書かれた内容を見る。 【女の子に暴力振るうなんて最低。人間のクズ】  12通目のタイトル「通報しました」と書かれた内容を見る。 【首絞めるとか、頭イカれてんじゃないの? マジ人殺しじゃん、警察に通報したから】 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第30話 「ダイレクトメッセージ2」

 冷蔵庫から缶コーヒーを持ってくると、机に置いて椅子に座る。中身を見なくても、書かれている内容がある程度想像できてしまう在過とうかだったが、一口コーヒーを口にすると、届いた順番でダイレクトメッセージを開いた。  1通目のタイトル「死ぬよね?」と書かれた内容を見る。 【いい歳して女の子殴るとか、きみ死ぬよね?】  2通目のタイトル「相談」と書かれた内容を見る。 【俺達の姫様を苦しめた償いどうしてくれ […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第29話 「ダイレクトメッセージ1」

在過は、帰宅前に再度受付カウンターへ戻り、いつものように相談室へ案内されていた。淡々と入院中の経過報告を聞き、体重が基準値に戻れば即退院してもらうと言うもの。また、バカにならない入院費用の支払いなどの話など聞かされ、毎週毎週耳が痛くなる思いをしていた。 「それでですね。入院と言っても、摂食障害の根本的な治療はできません。今後は自宅で過ごしてもらい、通院に切り替えたほうが費用面も、妹さんの精神を強く […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第28話 「お見舞い5」

その期待は、失敗。持ってくるべきではなかった。 在過とうかは、ここでカッターナイフを贈ってくる意図は不明だが、明らかにリストカットを連想させようとしている。神鳴かんなに妹がリストカットをしていた事を話しているし、これまでの事を考えると母親も知っているかもしれないと考えた。  それから15分ほど、一緒に韓流ドラマを見ながら過ごした。ベットに横になりながら動画を観ていた友理奈ゆりなは、目を閉じで眠って […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第27話 「お見舞い4」

 在過とうかと友理奈ゆりなは居室へ戻ってくる。友理奈はベットに戻り、在過は椅子の横に置いたカバンから、雷華らいかに貰ったプレゼント用のラッピングがされている、正方形の箱を取り出す。重量は軽く、片手で持っても重さがほとんど感じない。 「ねぇねぇ、それが言ってたやつ?」 「そうそう」 「開けるから、ちょっとお待ちよ」  椅子に腰かけ、ラッピングされた包装紙を破っていく。  絵柄などなく、普通の白い箱の […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第26話 「お見舞い3」

「あ、とう君」 「よっ。続きのドラマ?」 「これは昨日から観てる新しいやつ」 「ほぉ~、僕も観てみるか。なんてタイトル?」 「えぇっと……、天国の階段ってやつだ」 「仕事休みの日に観てみるか」 「まだ途中だけど、すごく面白い」 「ほら、いつものプリンと、今日は牛乳プリンも買って来た」 「おぉぉ」  カバンからプリンを2つ取り出し、個室に設置されている冷蔵庫に1つ保管する。在過とうかは、ベットの隣に […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第25話 「お見舞い2」

 妹の友理奈ゆりなが生活する個室の扉を開けて中に入る。  ガラっと言う音で友理奈は視線を左に向ける。扉が開いた奥から、今日も兄がお見舞いにやってきた。何もすることがなく、呆然とベットの上で過ごす生活。自分でも拒食症と言う事は理解しているし、家族に迷惑を掛けたくないとも思っている。  しかし……頭ではそう思っていても、心も体も言う事を聞かない。体重が落ちて、洗面所の鏡で姿を見ると骨が浮き上がり、肋骨 […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第24話 「お見舞い1」

どんな一日を過ごしても、必ず明日がやってくるように在過とうかも悩みながら仕事をしていた。喧嘩をして悩んでいても、早番という出勤は訪れ、テンションが落ちながらも一日を過ごした。  何を話しても、何を言われても、とにかく笑顔で過ごす。できるかぎりいつもの自分を装うように、在過はいつも通りに表情を偽った。仕事が終わる16時には、早々に引き継ぎをして帰宅の準備をする。更衣室で先輩達が飲みに行く話をしていた […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第23.5話 「進行」

やっと手に入れた理・想・の・家・族・を目の前にした在過とうかは、妻の言葉ことのはと娘の希心きこの姿を見て、気持ちが緩む。  静かに、過去の話を聞いてくれる二人の家族を得たはずなのだが、殴られたかのような頭痛に胸の痛みが苦しい。冷めたコーヒーを一口飲み、コップを置く。  胸からこみ上げてくる急激な嗚咽が襲い、急いで洗面所に向かった。 「「パパっ!?」」  心配してくれている家族が在過を呼ぶ。  しか […]

【堕天鹿オリジナル小説】僕と彼女のレンタル家族 第23話 「神様がいるのなら」

――目の前の悪魔の言葉を聞いてはならぬ。赦してはならぬ。神を信じ、そして私を信じなさい。悪魔を罰しなさい。それが、貴方の役目なのです。 「何度でも言いますよ! 僕は神鳴かんなを傷つけていません。神鳴から、僕の交友関係を消せと言われたので、消しました。なので、同じように神鳴も消せるよね? と言ったまでです。悪者扱いされる理由がわからない」 「黙れクソガキ。お前に発言を許した覚えはない」  耳元で囁き […]

Ads Blocker Image Powered by Code Help Pro

すまない! 広告ブロック設定がされているようだ。

 

 

堕天鹿サイト Hum_blakeです。

 

当サイトは、みなさんのご協力の元、広告費で運営&支援をしています。

 

どうか、広告ブロックを解除して協力をお願い致します。

Hum_Blake

Powered By
CHP Adblock Detector Plugin | Codehelppro